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第六の絶滅

Die Wahrheit ist irgendwo da draußen.

ダイ・ハードが死んだ日~『ダイ・ハード / ラスト・デイ』

 先日『ダイ・ハード / ラスト・デイ』が初めて地上波で放送された。

 ご覧いただいた方はおわかりのことと思うが、とんでもない駄作である。多くのシリーズファンが怒りと悲しみに苛まれたことだろう。良い機会なので公開当時Google+に書いたレビューを元に、この怒りと悲しみを記録しておこうと思う。

 

ジョン・マクレーンの系譜

 『ダイ・ハード』は自分のオールタイム・ベスト。アイディアと緊張感に満ちたアクション、それを魅せる撮影技術、ちりばめられた数々の伏線が余すことなく回収されていく脚本の妙、観客を飽きさせない見事な編集、主役級から脇役まで誰もが印象に残るキャラクター……映画のおもしろさ、映画とはこういうものだということを教えられた、自分にとっていわば映画の原風景と言える作品である。

 『ダイ・ハード2』はレニー・ハーリンらしい超大味な映画だったけれど、爆発! 爆発! とにかく爆発! その大味さが楽しかった。歩くエスカレーターのところで強烈な存在感を放っていたロバート・パトリックは本作で注目を浴び『ターミネーター2』でT-1000役に抜擢された。彼は『THE X-FILES』でモルダー役のデイヴィッド・ドゥカヴニーがレギュラーを降板した後にドゲット捜査官を演じて、マンネリ化しつつあったシリーズ終盤に新しい風を吹き込んでくれた。

 『ダイ・ハード3』は一作目と同じジョン・マクティアナンが監督を務め、サミュエル・L・ジャクソンを相棒に迎えたバディもの。これも一作目を超えることは出来なかったが、相棒と一緒に街中を駆け回るマクレーンが新鮮だったし、クイズゲームもおもしろかった。

 『ダイ・ハード4.0』はサイバーテロリストとの戦いという今風の筋書き。これまた大味な映画だが、ど派手なカーアクションやF-35戦闘機と戦って勝ってしまうマクレーンは痛快だった。監督のレン・ワイズマンダイ・ハードの大ファンを公言している。それが十二分に伝わって来る映画だ。マクレーンは「正義の味方なんて何も良いことがない」とぼやき、じゃあどうしてやってるんだと問われた彼は「他にやるやつがいないからだ」と答える。

 これだ、これがおれたちのジョン・マクレーンだ。タンクトップを血と汗と泥に染め、ボロボロに傷ついて「なんでおればっかりこんな目に」とぼやきながらも、妻を、娘を、守るべき市民たちを傷つける悪人どもを倒すため、知恵を絞って戦い続ける正義の男、タカギ社長が殺される様子を黙って見ていることしか出来なかった自分を責め、墜落した旅客機を目にして涙を流しテロリストへの復讐を誓う――それがジョン・マクレーンだ。

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 圧倒的な筋肉の力で悪をねじ伏せるジョン・メイトリックスも大好きだけれど、一番好きな映画の主人公を聞かれたら自分は「ジョン・マクレーン」と答えるだろう。二作目、三作目、四作目はいずれも映画史に名を残す偉大な一作目を超えることは出来なかったが、ジョン・マクレーンという個性的で魅力的なキャラクターを受け継いで来た。

 だが『ダイ・ハード / ラスト・デイ』にジョン・マクレーンはいない。見た目がブルース・ウィリスで、名前がジョン・マクレーンというだけの、別の何かだ。

 

 ここから五作目を振り返るが全部ネタバレするので一応警告しておく。

 

A Bad Day to DIE HARD 

マクレーン、ロシアに行く

 ロシアの監獄みたいなところで政治犯のコマロフと大物政治家チャガーリンが口論をしているだけという何の期待も盛り上がりもない導入からこの映画は始まる。

 本作のキャッチコピー「運の悪さは、遺伝する。

 目玉はジョン・マクレーンの息子ジャックが登場することだ。何年もの間音信不通だったジャックはロシアにいた。彼が殺人罪で逮捕され裁判にかけられるという報せが届いたため、マクレーンはモスクワへ飛ぶことになるのだが、「絶対終身刑」みたいなことが書いてあるのにも関わらず、見送る娘(四作目で登場)にもあまり危機感がない。

 そんなわけでモスクワにやってきたマクレーン、裁判所を目指してタクシーに乗るが、このタクシーの運転手が本作で一番印象的でおもしろいキャラクターである。彼とマクレーンの軽妙なトークをピークに、観客のテンションは谷底へ向かって真っ逆さまに落ちていくことになる。

 

マクレーン、裁判所に行く

 一方その頃、ジャックは警察に取り調べを受けていた。彼は「殺人はコマロフの指示」と証言したため、コマロフの裁判に証人として出廷することになる。冒頭のシーンでコマロフは長年政治犯として収監されているという話だった筈。どうやったら殺人の指示を与えられるのかは全くわからないけれど、登場人物が全員アホなのでこれをすんなり信じて話が進む。

 どうやらコマロフは大物政治家チャガーリンの過去の犯罪についての情報を握っていて、裁判でそれに関する告発を行うということで注目が集まっているらしい。当然チャガーリンはこれを阻止しようと考えるが、その方法は実に恐ろしい計画だった。コマロフの裁判が開廷したその時、裁判所の外に停まっている車に仕掛けられた爆弾が大爆発! 壁に大穴が空き、そこから武装したチャガーリンの部下たちが裁判所に突入する! 告発を阻止するため法廷を襲撃しコマロフを拉致する計画だったのだ! だが爆発の衝撃でコマロフの入っていた防弾ガラスに囲まれたブースみたいなやつも壊れたので、コマロフはさっさと逃げ出す。なんてアホな計画なんだ。

 逃げ出すにコマロフのもとにジャックが登場、彼の逃走を手助けすると言う。そう、ジャックが殺人を犯した理由、それはコマロフの法廷に証人として同席し、彼の逃走を手助けするためだったのだ。うん……???

 ともかく裁判所から脱出したジャックとコマロフ、そこに徒歩でやってきたマクレーンと偶然遭遇。数年ぶりに再会するマクレーン父子。早く逃げたいジャックにマクレーンがしつこく食い下がったせいで敵に追いつかれてしまう。ここから一番金と手間をかけたであろうカーチェイスが始まる。

 

マクレーン、犯罪者になる

 このカーチェイス、規模で言えば四作目よりも金と手間がかかっていて、派手と言えば派手だが、編集が悪くさほどおもしろくはない。金かけりゃ良いというものではないのだ。唯一、おそらくスポンサーであるベンツの車もちゃんと大破するのは良かった、アウディも見習ってほしい。

 まあカーチェイスそのものの出来はこの際どうでもいい。問題はマクレーンが取った絶対にありえない行動である。敵に追われるジャックを救うため、マクレーンも車を調達して彼らを追うことになるのだが、ここで彼は完全なる犯罪者に落ちぶれた。車の前に飛び出し、死にたいのか、とか何とか言って出て来た運転手の顔面に拳を叩き込み、極めつけに「ロシア語なんか喋ってんじゃねえ!」という捨て台詞を吐いて車を強奪したのだ。

 あのさあ……。

 まさかアメリカではなくロシアだから、相手がロシア人なら何の罪もない市民を傷つけても良いというのだろうか。確かにマクレーンはこれまでにも一般市民の携帯電話を取り上げたり車を無理矢理交換したりもしていた。だがそれはあくまで多くの市民の生命を救うためのやむを得ぬ行動だ。ロシア人に人権はないとでも言うように車を奪い、モスクワ市民の車を踏みつけ道路を大混乱に陥れるマクレーン、もはや彼がテロリストにしか見えない。一体誰なんだこの男は。おれのジョン・マクレーンはどこへ行ったんだ。もしかしてこれはダイ・ハードではなく、セガール映画の邦題が『沈黙のXX』になるように宣伝上の都合で日本でだけダイ・ハードということにされている、全然関係ない映画なのか?

 

マクレーン、孤立する

 だるいカーチェイスの末になんとか逃げ出したマクレーン父子とコマロフはとりあえずジャックの隠れ家へ行く。なんとジャックはCIAの諜報員だったのだ。CIAは過激派のチャガーリンがロシアの指導者になることを阻止するため、コマロフの持つチャガーリンの犯罪の証拠が記された機密ファイルを入手し、彼を失脚させようという作戦を企てたらしい。この世界観もいつまで冷戦やってるんだよという感じがするのはまあ置いておいて、そんな国家安全保障に重大な影響を及ぼす作戦なのに隠れ家にはジャックの同僚一人しかいない。ジャックと二人で三年やって来たそうだが、それほど重要な作戦に二人しか人員がいないのか……。

 さっさとファイルを手に入れて国外に脱出しようという話になり、コマロフが「娘も一緒に」とごねる。するとジャックの同僚は携帯電話を渡して「さっさと電話しろ」と言う。普通に考えるとターゲットの家族くらい先に押さえてそうなものだが、案の定電話した直後に隠れ家は襲撃され、ジャックの同僚は死んでしまった。「どこが隠れ家だ!」と愚痴るマクレーン。それは電話をしたせいだよ! 「三年間かけた計画があんたのせいで台無しだ、これで味方はいなくなった」とマクレーンをなじるジャック。こんな杜撰な計画はマクレーンが来なくても失敗しただろう。

 

マクレーン、笑う

 コマロフのファイルの金庫を開ける鍵の隠し場所はとあるホテルの最上階のダンスホールだった。そこでコマロフの娘と落ち合う約束だ。約束通りにコマロフの娘が現れるが、マクレーンと娘の間で「随分早かったな、環状線を使ったのか」「そうよ」「あの環状線はこの時間は大渋滞だってタクシーの運転手が言っていたぞ」という非常に白々しい会話が交わされる。コマロフの鍵はなんかストーブと壁の隙間みたいなところに隠してあった。よくそんなところに二十年も隠せると思ったな……。

 すると大方の予想通りチャガーリンの部下たちが登場、コマロフは拉致され、マクレーン父子はピンチに陥った。コマロフの娘が金のためにチャガーリンに付いたのだ。ここでマクレーンが突然笑い出し、それにつられて敵も笑う、という癪に障る一作目クライマックスのパロディが挿入される。オリジナルでは「突然笑い出すことで万策尽きて頭がおかしくなったとハンスを油断させて不意を突きホリーを奪還する」という緊迫感ある場面だったのだが、本作ではただ「敵とマクレーンが一緒に笑う」それだけなので何のおもしろさもなく完全に無意味だ。これ以降もとってつけたような旧作パロディが何度か登場し観客の神経を逆撫でする。

 なんだかんだで敵を何人かぶち殺すが、今度は戦闘ヘリが襲って来た。全体的に言えることだが、とにかくこういったアクションシーンが何の工夫もなくつまらない。撃たれる、隠れる、撃つ、逃げる、飛び降りる、この繰り返し。マクレーンの魅力は強靱な肉体でも圧倒的なパワーでもない、孤立無援の極限状況で、ありものを駆使し知恵を絞って戦う姿がおれたちをワクワクさせてくれたんだ。この戦闘ヘリから逃げるシーンだって、外の足場に出て非難袋を使って下まで降りる、ただそれだけ。アクションにすら期待が持てないなら何を観ればいいんだ。

 

マクレーン、チェルノブイリに行く

 コマロフを拉致され、武器も失ったマクレーン父子。もうだめだと挫けるジャックだったが、マクレーンの励ましで最後まで戦うことを決意する。二人は武器と車の調達に向かうことに。向かった先はクラブの駐車場、そこに駐車されている車のトランクを開けると……なんと武器が満載されていたのだ! なめてんのか! ジャックが言うにはこの辺りのならず者が集まる場所で、クラブは武器の持ち込みが禁止だから銃は車に置いていくらしい。拳銃くらいならまだわかるが、アサルトライフルやらサブマシンガンを持ち歩くならず者はもはやテロリストだろう。モスクワの治安は大丈夫なのか。

 さて、コマロフのファイルが隠されている金庫はどこにあるのか。

 そう、チェルノブイリだ。

 コマロフとチャガーリンはかつて軍用ウラニウム横流しで金稼ぎをしていて、そのせいでチェルノブイリ原発事故という大惨事が起きてしまったらしい。ファイルにはその証拠が記されているのだ。軍用ウラニウム横流しすると原発事故が起きる理由が全くわからないが、CIAが言うならそうなんだろう。よくこんな脚本が通ったな。

 マクレーン父子がチェルノブイリへ向かっているちょうどその頃、テロリスト一味はコマロフの金庫へ辿り着いていた。金庫を開けるとiPadガイガーカウンターアプリが激しく反応! 何十年もの時間で放射能が溜まっている場所だから防護服を着ていても入れないと言うコマロフ。だがテロリストに抜かりはない。コマロフの娘がこんなこともあろうかと、のノリで「あれを持ってきて!」と叫ぶと、マジでヤバいアイテムが登場する。「化合物274……これで放射能を中和出来るわ」

 あのさあ……。

 これ、おそらくは悪役が防護服を着ていると派手なアクションも出来ないし顔もわからないという都合を解決するためにやっていると思うのだが、なら最初からチェルノブイリを舞台にしなければいい話である。

 金庫の中にはファイルではなく大量の軍用ウラニウムが貯蔵されていた。どういうことだ、これは何だとわめくリーダーの男(ダンサー志望)は捕らわれの身の筈のコマロフに射殺される。コマロフがチャガーリンに「おれの人生は返してもらった、今度はおれがお前の人生を奪う番だ」と電話すると、チャガーリンの肩を揉んでいたマッサージ師がチャガーリンを絞め殺した。なんとチャガーリンの犯罪を立証するファイルなんてものは最初から存在せず、コマロフは娘とグルになって軍用ウラニウムの残りを手に入れ金儲けを企んでいたのだ! コマロフと娘がグルだってのはほとんどの観客は最初から気付いているし、金儲けがしたいならこんな回りくどいことをしなくてもさっきの放射能を中和するガスを売れよ! 今なら日本に高く売れるぞ!

 

マクレーン、被曝する

 ようやく目的地へ辿り着き、生身でチェルノブイリに乗り込むマクレーン父子。と言ってもロケーションは暗い中でなんか廃墟が一軒出て来るだけなので全くチェルノブイリっぽさはない。

 地下金庫に侵入しコマロフと再会。この時マクレーン父子はまだコマロフが黒幕だということに気付いておらず、なんとか誤魔化そうとするコマロフと金庫に積まれたウラニウムを怪しむマクレーンの会話が続けられる。言うまでもなくこれは一作目、ナカトミビルの屋上でのマクレーンとハンスの会話シーンのパロディだ。オリジナルは壁の従業員リストを見て偽名を思いつくハンスと、同じリストを見て偽名に気付くマクレーンの緊張感ある心理戦だったが、本作ではジャックが軍用ウラニウムに気付いてマクレーンが射殺されたダンサーの死体を見つけてコマロフが黒幕だとなんとなく気付く、という何とも言えないしょうもないシーンになっている。こういうオリジナルの何が良かったのかを全く理解せず本質を反映していないうわべだけのパロディには心底腹が立つ。

 コマロフが敵だと気付いたその時、コマロフの娘が現れ、マクレーン父子とテロリストの銃撃戦に。この辺も特におもしろみはない。なんだかんだでコマロフを屋上に追い詰めたジャックだったが、コマロフの娘が戦闘ヘリを持ち出し、機銃の攻撃で今度はジャックが追い詰められる。ヘリに取りついたマクレーンはハッチを開け貨物室に積まれていた車を落とすことで機体のバランスを崩してジャックを救おうとした。この車を落とす時に決め台詞「イピカイェ・マザーファッカー」を繰り出すのだが、こんなに決まらないイピカイェを見たのは初めてだ。

 ジャックはこのチャンスを逃さずコマロフと取っ組み合って彼を屋上から突き落とす。ここで落ちるコマロフを真上からのアングルでスローモーション! 下にはコントロールを失った娘の戦闘ヘリが! コマロフはプロペラに巻き込まれて死んだ。言うまでもないが、これは一作目のハンスが落ちるシーンと、二作目の主翼上の格闘の末エンジンに巻き込まれてグラントが死ぬシーンを合わせた何の意味もないパロディである。

 どうせヘリを墜とすのは三作目のパロディなんだろともううんざりしている観客をよそに、事態は急展開。父親を殺された娘は激昂! マクレーンとジャックのいるビルにめがけてヘリごと突っ込んで来た! 神風アタックである。勿論何の意味もない。下の階に飛び降りて逃げるマクレーン父子! 爆発するヘリ! こうして悪は滅びた……。えぇっ!?

 下にはプールがあったのでマクレーン父子は無事生還。「この水入って大丈夫なのか?」「ハゲるくらいだよ」という最高にクールな原発ジョークをキメて彼らはチェルノブイリを後にした。次のシーンでは夕焼けの空港で感動的な音楽の中マクレーンと娘と息子が抱き合うシーンが挿入されてこの映画は終わる。モスクワを大混乱に陥れたマクレーンが普通に出国出来るのかとか色々突っ込みどころはあるが、もうどうでもいいよ。

 

ダイ・ハードは死んだ

 一体何だったんだ、この映画は。

 本作の監督ジョン・ムーアは、あのロバート・アルドリッチの名作『飛べ! フェニックス』をリメイクした『フライト・オブ・フェニックス』という映画を撮った人物でもある。この『フライト・オブ・フェニックス』もあの名作を元にしてどうやったらこんなC級映画に出来るんだという代物で、これも詳しくは観比べていただきたいのだが、本当に飛ぶのかというあの緊張感とそれが報われた時の高揚感が全てのクライマックスの離陸シーンに、どういう頭をしていたら馬賊の襲撃を組み合わせることが出来るのか。リメイクなのでこちらの方がたちが悪いかもしれない。

 『ダイ・ハード』一作目の肝はナカトミビルという閉鎖空間で自分しか戦える者がいないという孤立無援の必然、それにあった。そういう意味では空港が舞台の二作目、ニューヨーク中を駆け回る三作目、アメリカを飛び回る四作目のどれもが一作目を超えることを出来なかったのは当然であり、本作もその轍を踏んでいる。だが、二作目、三作目、四作目には少なくとも映画としてのおもしろさは存在したし、何よりジョン・マクレーンという魂があった。血染めのタンクトップに乏しい武器、なんでいつもこんな目に遭うんだと愚痴りながらも悪を倒す闘志を燃やす正義の男、それがジョン・マクレーンだ。

 だが本作のマクレーンはマクレーンであってマクレーンでない。何の工夫もないつまらないアクション、荒唐無稽にも程がある脚本、無意味な旧作のパロディで「ダイ・ハードですよ」という顔をする頭の悪さ、そして何より許し難い無辜の市民を傷つけ街を混乱に陥れるマクレーン……こんな映画を観るくらいなら花や草に生まれたかったと心底思う。

 “ダイ・ハード” なかなか死なない筈の男ジョン・マクレーンは『ラスト・デイ』に殺された。製作中との話がある六作目には、どうかマクレーンを生き返らせてほしいと願うばかりだ。